caoco’s blog ☆保育士のブログ☆

保育士として働いていての体験談や感じていることをメインに書いています。

楽はさせないよ。

『楽はさせないよ』

以前、勤めていた保育園の園長先生が言った言葉です。

 

0才児9名のクラスで、3人担任。

9名中2名は、産休明けの保育で生後3ヶ月と4ヶ月の赤ちゃんでした。

 

国が定めている保育士の配置基準は0才児3名に対して保育士1名なので、担任の先生3人で0才児9名を頑張って保育していました。

 

一番バタバタしてしまうのは、お昼の時間です。

戸外で遊んで過ごした場合、保育室に戻り手を洗い服が汚れていたら着替え、食事の準備をして食事の介助をし、ミルクを飲む子どもにはミルクを作り、抱っこをしてミルクを飲ませ、布団を敷いて午睡(昼寝)の準備をして、食事で汚れたエプロンをとり、着替えをして眠りに誘い、子ども達が眠ったら散らかり放題の部屋の食後のあと片付けをして、その後に自分達の昼食時間。

※食後、食器は調理室に運びます。保育園によっては保育士が調理室に食器を返却しに行くのですが、食事の介助などで持っていくのが遅れると「遅い」と注意を受けることがあります。栄養士さんや調理師さんが食器を取りに来てくれる保育園もあります。

 

子ども達とどんなに丁寧に関わりたくても、どんなに質のよい食育を目指しても、人手がなければ慌ただしく余裕のない状態になる時間帯です。

 

保育園の乳児組で働いたことのある方であれば、誰でも分かる現実ではないでしょうか。

 

私は主任をしながらフリーとして各クラスの補助に入っていたので、保育士の配置基準の3人担任ではあるけれど、あまりにも大変な状況を見かねて、0歳児クラスの食事準備から午睡までの時間はお手伝いに入っていました。

 

しかし。

ある日・・・。

園長先生が私にこう言ってきたのです。

 

『あのクラス(0歳児クラス)の手伝いには入らないで。』

 

耳を疑いながら『どうしてですか?』と訊ねると園長先生は

『あのクラス(0歳児担任3人)には、楽はさせないよ。』と言ったのです。

 

園長先生として何か思いがあったのでしょう。

でも私には理解し難く、血の気が引き、悲しい気持ちになりました。

 

『楽をさせない』って違うでしょー!!!怒

このクラスの状況はどう考えたって、子ども一人ひとりを大切にしたゆとりある保育はできない状況でしょー!!!怒

 

そんな気持ちをグッと堪えて、手伝いをするのをやめてクラスの様子を見守りました。

手伝えるのに、何もしてあげられない・・。

 

保育士さん3人は頑張っていました。

でも・・。

表情がどんどん暗くなり、午前中の活動時間中もぼんやりとしていることが多くなりました。

 

保育士さん達を心配しながらも、どうしてあげたらいいのか悩みはじめた時

『給食の時間だけでいいのでクラスのお手伝いに入っていただけないでしょうか・・・』

担任の先生達が私に涙目でお願いしにきたのです。

 

私は決めました。

手伝います!

 

私は私の判断で0歳児クラスのお手伝いに入りました。

園長先生の考えに逆らうことはよくないことです。

でも、私は何もせずに保育士さん達が苦しんでいる姿を見ていられなかったのです。

園長先生に何と言われようと嫌がらせをされても、私はお手伝いに入り続けました。

 

その後、園長先生と私の関係が悪くなったことは言うまでもありません。

 

 

保育士さん達が苦しむ姿は見たくない。

保育士さん達の涙は見たくない。

子ども達が十分な保育を受けられない姿は見たくない。

 

園長先生は保育士さん達を育てたいの?

潰したいの?どっち?

 

職員のお休みが重なるなどなにかしらの理由で、人手が足りなくなりギリギリの保育士数で保育をしなくてはいけない時は、保育や職員の導線などを工夫して頑張って乗り切らなくてはならない場合はあります。そういう状況の日はとても多いです。

 

園長先生は若い保育士さん達に『甘い考えは持たずに頑張ってほしい』という考えがあったのでしょう。でも、圧力や意地悪に感じてしまうやり方、自分の感情や考えを剥き出しにして押し付けるようなやり方は、潰そうとしてるようにしか思えないのです。

 

園長先生になる人にはもっと学んでほしい。

今現在の保育を。

組織のトップとしての振る舞い方を。

組織のマネジメントを。

人材の育て方を。

労働基準法を。

自身の成長についてを。

 

もちろん。尊敬する素敵な園長先生にも出会っています。

今後、もし保育園に復職することがあったら、人としても保育士としても尊敬する素敵な園長先生のもとで働きたいな。

 

追伸:

『楽はさせない』と言った園長先生。

『私は昔、0歳児6人の食事の介助をひとりでしたわ。』と武勇伝のように語っていました。歯を食いしばって頑張って保育士をしていた時期があるのでしょう。

ひと昔前の保育は個々よりも集団に重きが置かれていたのかもしれませんね。

『楽はさせないよ。』の考えは、ここからきているのかもしれません。

 

子どもに寄り添った丁寧な保育を『楽』と思わないでほしいです。

保育士の配置基準より多く保育士がいること=楽、ではないのです。

保育士の人数が十分に満たされることで、より丁寧で質の良い保育ができるのだと私は思っています。

 

ちなみに

保育士ひとりで0歳児6人の食事の介助を行う。

私は違和感しか感じません。。。