caoco’s blog ☆保育士のブログ☆

保育士として働いていての体験談や感じていることをメインに書いています。

給食(好き嫌い)のこと。保育園・幼児編

私は子どもの時の記憶を覚えています。部分的ではありますが、詳細に、その時の気持ちも覚えていたりします。

なので、子ども達の気持ちが、なんとなくですが、『今、こう思ってるかな?』と予測できたり、想像できたり、分かったりします。

 

でも、子ども達のことで分からないことがひとつ。

それは、食べ物の好き嫌い。

 

私は食べ物の好き嫌いがなく、小さい頃からなんでもおいしく食べることができました。だから、子ども達の『食べたくない。味が嫌い。食感がいや。匂いや見た目がいや。』と言って食べられない気持が分からないのです!

 

保育園で保育士をしていると、子ども達と一緒に給食を食べます。一緒に食べていて好き嫌いがある子がいると『こんなにおいしいのに…』と思うのです。

 

食べ物の好き嫌い。

 

ひと昔前の保育現場や小学校では『残さず食べなさい』の考え方が主流だったと思います。

 

私が20代の頃、先輩保育士さん達は躍起になって子ども達に好き嫌いなく食べさせようとしていました。あまりにも強制的に食べさせようとする先輩保育士さんに見かねた私は、先輩保育士さんが見ていない隙に、こっそり食事を終わりにして、さっさと残飯や食器を給食室に片付けちゃったこともあります。

 

食事は生きるために必要な行為。その毎日繰り返される生きるために必要な行為が、苦痛になってはいけないのです。楽しいのが一番なのです。

 

私は食べることが好きで食べることの楽しさや喜びを知っているので、子ども達にも食べることの楽しさを伝えたい。そう思いながら保育をしていました。

 

はじめてひとり担任(4歳児クラス担任)になった時、先輩保育士さんの目を気にせず、自分のやってみたい保育ができるようになりました。

 

やってみたい保育ができるチャンス到来!

 

『好き嫌いのある子の食事への対応は、こんなふうにやってみたい』と思っていた保育をやってみることにしました。

 

 

○自己申告制 : 苦手な物はいただきますを言う前に、自分で減らして欲しいことを伝える。

『全部食べられた。お皿がきれいになった。』という嬉しさを感じてほしくことをねらいにしました。

 

○苦手な物もひと口食べてみる(大きさ、量は子どもが決める)

味って慣れだと思っています。少しずつ食べることで食べられるようになる食べ物もあります。食わず嫌いには、この『ひと口食べてみる』はとても効果的です!

量は子ども自身が決めるので、『(米粒くらい)小さくして!』と言う子もいますが、食べてみることが大事なので、それでもOK。好き嫌いのある子が抵抗感を感じないように配慮しました。どうしても食べられない子は、もちろん食べなくてOKです。

 

○自己申告して減らしたべ物は、食べたい子がおかわりとして食べる(食べてみたらおいしかった。やっぱり全部食べる!もOK)

残飯が多くなるのは気が引けるものです。様々な人の手で作られ、めぐりめぐって給食になって目の前に配膳された食材。残すのは、本当に申し訳ない…。それなら、食べたい子に食べてもらおうという考えでした。前もって減らした食べ物ですから、衛生的にもきれいです。

自分が苦手で残した食べ物を友達がおいしいと言ってモリモリ食べている…。残した子にとっては、その食材に興味を持つきっかけになっていました。

 

○自己申告したのに食べられない場合、残してOK。

食べられないものは食べられない。仕方のないことです。

 

○友達と楽しく食べる

友達と会話を楽しみながら食事をすることも伝えていきました。私も子ども達の食事の輪に入り『おいしい!おいしい!』と言いながら食べるようにしました。

楽しくなりすぎて、お行儀が悪くなったりしないよう気をつけて、食事のマナーも伝えるようにしました。

 

○カフェにいるような素敵な音楽をかける

これは私の遊び心です。。すみません(苦笑)

でも、子ども達は『今日はどんな音楽にするの?』と言って楽しみにしてくれていたようです。

 

この保育を通して、給食の環境がとてもよくなったと感じています。苦手なものが食べられるようになった子はいますが、何よりも子ども達が給食を楽しみにする姿が見られるようになったことが、とても嬉しかったです。

 

 

 

※でも、このやり方は幼児組の子ども達向け。乳児組の子ども達や療育センターに通う子ども達には、違うやり方をしたほうがいいです。